ソウルの韓国大統領府で2024年11月7日、記者会見をする尹錫悦大統領=東亜日報提供

 ロシアによる侵攻が続くウクライナのウメロウ国防相をトップとする特使団が韓国を訪れ、27日に尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と面会した。その後、国防相らとも会い、北朝鮮がロシアに兵士を派遣するなか、ウクライナ側は韓国との協力強化してくことを望んだという。

 韓国大統領府の発表には含まれていないが、ウクライナが韓国に兵器の支援を要請した可能性もある。

 尹氏は面会で、ロシアと北朝鮮の軍事協力による安保の脅威に対処するために、両国が実効的な対応策を講じていきたいと述べたという。

 特使団は尹との面会後に大統領府の申源湜(シンウォンシク)・国家安保室長や金竜顕(キムヨンヒョン)・国防相とも会い、両国の協力について議論し、現地の戦況や北朝鮮兵の動向などについて情報を共有したという。

 特使団は、ウクライナのゼレンスキー大統領と尹氏が10月に電話会談をした際に派遣する方針が決まっていた。

 ゼレンスキー氏は10月末の韓国KBSテレビのインタビューで、韓国から支援を受けたいものとして、「特に防空システムだ」などと発言。特使団が訪韓すれば「武器支援について論議するだろう」としていた。

 韓国政府は北朝鮮とロシアの軍事協力の推移に応じて、段階的に対応措置を取るとの立場だ。ウクライナへの支援について、尹氏は「武器支援も排除しない」との考えを示している。

 ただ、ウクライナへの巨額支援を批判し、戦争を早期に終わらせると主張してきたトランプ氏が次期米大統領に決まってからは、より慎重な姿勢を見せ始めている。

 韓国側は今回、両国が「米国と緊密に疎通しながら共助してくことにした」としており、特使団の訪問がウクライナへの武器支援につながるかどうかは不透明だ。(ソウル=貝瀬秋彦)

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