ロシア軍は17日午前、ウクライナ各地に大規模攻撃を行った。ウクライナ当局によると、電力施設を狙ったものという。首都キーウでは複数回にわたって爆発音が聞こえた。5階建ての集合住宅にドローン(無人機)の残骸が落ち、女性1人が病院に運ばれた。
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各当局によると、南部ミコライウではドローン攻撃により女性2人が死亡し、子ども2人を含む7人が負傷。西部リビウ州では女性1人が死亡し、男性2人が負傷した。中南部ザポリージャでは2人、中部ドニプロでも1人がけがを負った。また、中部ドニプロペトロウスク州では鉄道職員2人が死亡した。各地の電力関連施設が攻撃を受け、停電が発生したり、電車が止まったりしたという。
ゼレンスキー大統領によると、ロシア軍はドローン90機の他に、極超音速ミサイル「キンジャル」を含むミサイル約120発を発射したという。この規模の攻撃は約3カ月ぶりとなった。
ハルシチェンコ・エネルギー相によると、今回の攻撃の対象は「ウクライナ全土の発電、送電施設」だという。
シビハ外相はSNSで「これこそが、戦争犯罪人であるプーチン(ロシア大統領)に電話をかけたり、訪れたりした人々に対する彼の真の反応だ」とし、プーチン氏と電話会談を行ったショルツ独首相を暗に批判。「我々に必要なのは融和政策ではなく、強さによる平和だ」と強調した。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナへの全面侵攻は、今月19日で開始1千日目となる。国連のウクライナ人権監視団によると、確認できているだけで8月末までに子ども641人を含む民間人1万1743人が亡くなった。負傷者は2万4614人確認されている。ただ、同監視団は死者、負傷者ともに実際にはさらに多いとしている。(キーウ=藤原学思)