2024年6月7日、パリにあるフランス国防省を訪れたウクライナのゼレンスキー大統領=ロイター

 ロシアの全面侵攻を受けるウクライナは11~16日、三つの重要な国際会議を迎える。いずれもウクライナが掲げる「公正な平和」の実現に向けたもので、その成否は今後のウクライナ情勢の行方にも影響を与えることになる。

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 「これからの数週間は夏の全期間、そして多くの意味で、今年を左右するものになる」。ゼレンスキー大統領は4日夜、ビデオ演説でそう強調した。「この戦争がウクライナにとって公正な形で終わるよう、尽力してくれているすべての人に感謝したい」

 ゼレンスキー氏は2022年11月、インドネシアの主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、10項目からなる「平和の公式」を発表した。それから1年半。ウクライナはこれにこだわり、納得できる戦争の終わり方を模索してきた。

11、12日に復興会議、13~15日にG7サミット

 同時に、社会を全面侵攻以前のように機能させることにも目を向ける。そのための「ウクライナ復興会議」が11、12日、ベルリンで開かれる。ドイツ政府関係者は「戦争の終結と復興のどちらが先かという区切りはない」と話し、並行して進めていく必要性を訴える。

 2月に世界銀行などが発表した試算では、ウクライナの復興には今後10年間で4860億ドル(76兆円)がかかるとされる。会議では、ウクライナ国内の自治体や国内外の民間企業も交え、欧州の価値観も踏まえながら、いかに多面的に復興を推し進めていくかの議論がなされる予定だ。

 一方、13日からイタリア南…

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