大リーグ史上最高の「万能選手」と呼ばれ、ジャイアンツなどで活躍したウィリー・メイズさんが亡くなったと、大リーグ機構(MLB)が発表した。93歳だった。

 メイズさんは米アラバマ州出身で右投げ右打ち。黒人選手によるニグロリーグ(現在は消滅)からプロ人生をスタートし、1951年にニューヨーク(現サンフランシスコ)・ジャイアンツで大リーグにデビューした。同年に新人王に輝くと、54年には、打率3割4分5厘、41本塁打、110打点でリーグMVP(最優秀選手)に輝いた。

 大リーグ通算成績は3293安打、660本塁打、339盗塁。リーグ本塁打王4回、盗塁王にも4回輝くなど、走攻守すべてがそろった選手として知られた。20年連続でオールスターに選ばれ、ナ・リーグMVPは2度、ゴールドグラブ賞は12度獲得するなどして米殿堂入りも果たした。大リーグ公式サイトによると、史上唯一の「3千安打、300本塁打、打率3割、300盗塁」も達成している。

 特に中堅手として高く評価され、54年のワールドシリーズ第1戦で中堅への大飛球を背走しながら捕球したプレーは「ザ・キャッチ」と呼ばれ、同シリーズ史上最高のプレーとして語り継がれている。

 ジャイアンツは18日、メイズさんの息子であるマイケル・メイズさんの「愛する人たちに囲まれて安らかに息を引き取った」との声明を発表した。

 MLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーは「ウィリー・メイズは、想像しうるあらゆる方法でゲームを支配した。我々は決して忘れることはない」などとコメントした。

 大リーグ最多762本塁打記録を持つ元ジャイアンツのバリー・ボンズさんは、父ボビーさんがメイズさんのチームメートで、幼いころからメイズさんを「精神的な父」として慕っていた。「ショックで打ちのめされている」と自身のSNSで悲しみをつづった。そして「あなたは今の私を形作ってくれた、私にとって言葉にならないほどかけがえのない存在だ。ゴッドファーザーとして、いつもそばにいてくれてありがとう」と感謝した。(ニューヨーク=遠田寛生)

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