インド・グワハティで2019年4月23日、総選挙の投票を済ませたマンモハン・シン前首相ら=ロイター

 インドの首相を2期10年にわたって務めたマンモハン・シン氏が26日、死去した。92歳だった。死因は明らかになっていない。経済学者出身の首相として規制緩和を主導し、現在のインド経済の成長の土台を築いたと評される。

 モディ首相は26日夜、自身のSNSに「インド全体が、最も傑出した指導者の一人であるマンモハン・シン博士の死を悼んでいる」と投稿。「国会での発言は洞察に富み、首相として国民生活の向上のために幅広い努力をしてきた」とたたえた。

 シン氏は1932年、西パンジャブ地方(現在のパキスタン)で生まれ、少数派のシーク教の家で育った。英オックスフォード大学の博士課程で学んだ後、デリー大学の教授や中央銀行総裁を歴任。インドが経済危機に陥った91年に財務相に就き、それまでの社会主義的な政策運営から自由化路線にかじを切り、経済再生の道筋をつけた。

「雇われ社長」とも

 2004年に与党だった国民…

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