テヘランで2024年7月3日、イラン大統領選の選挙集会に臨むペゼシュキアン元保健相。WANA提供=ロイター
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 19年ぶりに行われたイラン大統領選の決選投票で内務省は6日、改革派のマスード・ペゼシュキアン元保健相(69)が、一騎打ちとなった保守強硬派のジャリリ元最高安全保障委員会事務局長(58)を破り、初当選したと発表した。外交方針が、現政権の反米強硬路線から、経済制裁の緩和に向けて米欧との対話を図る方向に大きく変化する可能性がある。

 大統領選で改革派が勝利したのはハタミ大統領が再選した2001年以来、23年ぶり。内務省が発表した確定開票結果によると、ペゼシュキアン氏は約1638万票を獲得し、ジャリリ氏は約1353万票だった。投票率は49.8%。6月28日の第1回投票は過去最低の40%だったが、大幅に上回った。

 今回は現職のライシ大統領が5月にヘリコプター墜落で死亡したことに伴う選挙。イランは自国の核開発を制限する代わりに経済制裁を緩和してもらう核合意を15年に米英独仏中ロの6カ国と結んだが、3年後に米トランプ政権が一方的に離脱して対イラン制裁を再開し、経済苦境が続く。

 ライシ政権は21年8月の発足以降、核兵器の原料となるウランの濃縮度を60%まで高めて米欧との対立を深め、中国やロシアへの接近を進めた。大統領選は反米保守強硬路線の継続の是非が争点となった。

 ペゼシュキアン氏は、制裁解…

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