4月25日、パレスチナ自治区ガザの最南端ラファで、イスラエル軍の攻撃で壊れた住宅の横を歩くパレスチナ人の少女=ロイター

 行き詰まっているパレスチナ自治区ガザでの戦闘休止と人質解放の交渉をめぐり、イスラエルの代表団は26日、会談した仲介国エジプトの代表団に、「これが最後のチャンスだ」とする姿勢を示した。イスラエルは、避難民ら約150万人が集まるガザ最南端ラファへの地上侵攻の準備を進めることで、イスラム組織ハマスに圧力を強めている。

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 ロイター通信によると、イスラエルの代表団は26日、同国を訪れたエジプトの情報機関トップらからなる代表団と会談した。イスラエルのテレビ局チャンネル12は、イスラエル当局者の情報として、女性や高齢者らを含む少なくとも33人の人質の解放を含まない取引には応じない方針と伝えた。一方で、ガザ北部への住民の帰還や、ガザの要所からのイスラエル軍部隊の撤退については譲歩する用意があるとしている。

 米ネットメディア「アクシオス」は、イスラエル側が26日、「人質交渉に合意する最後のチャンスをハマスに与える準備があるが、すぐに進展がなければ、ラファへの地上侵攻に踏み切る」とエジプト側に伝えたと報じた。複数のイスラエル政府筋が明らかにしたという。

 ハマスは27日、イスラエル側の提案を受け取ったとする声明を発表し、「検討が終わり次第、回答する」とした。これまでの交渉でハマスは、永続的な停戦、ガザからのイスラエル軍の完全撤退、避難民の無条件の帰還といった主張を繰り返している。(カイロ=其山史晃)

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