
日本貿易振興機構(ジェトロ)のアジア経済研究所、世界銀行、朝日新聞社が共催する国際シンポジウム「アフリカはいま 未来を担う若い大陸のチャンスとチャレンジ」が2月12日、東京都内であった。8月20~22日に横浜市で開かれる第9回アフリカ開発会議(TICAD9)の関連事業で、会場とオンラインで計332人の視聴者が参加した。
ウィットウォーターズランド大学(南アフリカ)のアデバヨ・オルコシ教授の基調講演の後、世界銀行のヴィクトリア・クワクワ副総裁(東部・南部アフリカ担当)、アジア経済研究所の福西隆弘・主任調査研究員(オンライン参加)、網中昭世・主任研究員、朝日新聞ヨハネスブルク支局長の今泉奏記者の4人がそれぞれの立場からアフリカの現状を報告した。
パネルディスカッションでは、基調講演や報告をもとに、5人の登壇者が急速に変化するサブサハラ・アフリカの可能性について語り合った。アジア経済研究所アフリカ研究グループ長の佐藤千鶴子さんがモデレーターを務めた。
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「ワシントンに認めてもらう時代は終わった」
トランプ米政権は、対外援助を担う国際開発局(USAID)の縮小を進める。オルコシさんは「ワシントンに認めてもらうことを望む時代は終わった」とし、「アフリカがまとまって自分たちのために行動することが重要だ」と訴えた。
クワクワさんは「アフリカが自らを改善していくチャンス」としつつ、「貿易や気候変動といった多国間ルールが脅かされるリスクにも目を向けなければならない」と懸念も示した。
アフリカ諸国の政治体制では、クワクワさんは開発独裁的な手法で経済成長を遂げたシンガポールを引き合いに「何が正しい政治モデルかは一概に言えない。民主化すればいいのではなく、その成果が求められている」と主張した。
オルコシさんは「政党が信頼…