
文章で伝えるのが記者の仕事。マンガやアニメや映画といった「非言語」の比重が大きい表現をかみ砕き、その魅力を分かりやすく簡潔に伝えようと日々腐心しています。そんな私への啓示となり励ましにもなる3冊に最近出合いました。3月に出た「アニメーション 〈動き〉のガイドブック 伝わる表現の基礎講座」(ビー・エヌ・エヌ)、4月に出た「井上俊之の作画遊蕩(ゆうとう)」(KADOKAWA)、ちょいと間が空きますが昨年8月に出た「作画マニアが語るアニメ作画史 2000~2019」(スタイル)。どれも「作画」の本なのですが、私にとっては「アニメを語る言葉」の本でもあったのです。
昨年11月に「スタジオジブリの撮影術」(今年2月12日の本欄「『耳をすませば』ラストの夜明け 裏技はOHP」参照)という本を出したビー・エヌ・エヌ。また渋いところを攻めてきました。「アニメーション 〈動き〉のガイドブック」は10年以上続いてきた文化庁の人材育成プログラム「アニメーションブートキャンプ」の講義をまとめたもの。歩く、立ち上がる、といった基本的な動作を数枚のラフスケッチから出発して数秒のアニメーションにまで仕上げるワークショップです。
- 「耳をすませば」ラストの夜明け 裏技はOHP
グループになって、まず体を動かし、動きのイメージをつかんだりひとの動きを観察したりし、それを描いてみて、動画にしてみんなで見て、意図通りになっているか評し合い、フィードバックして改善するという流れで進みます。本には作例を見られるサイトも載っていて、「なるほどこうなっていくのか」と映像で確認しつつ読み進められます。紙に描いた絵をスマホで撮って動かすラインテスト用のWebアプリも紹介されているので「じゃ私もちょっとポーズを何枚か描いて動かしてみようか」と思ったらすぐできます。
さっそくQRコードからアク…