2026年に愛知県内を中心に開かれるアジア競技大会をめぐり、県や名古屋市でつくる大会組織委員会会長の大村秀章知事は8日、選手団の宿泊施設としてクルーズ船を活用する方針を明らかにした。五輪やアジア大会規模の国際大会での活用は初という。
組織委の発表によると、3千人程度が滞在できる規模のクルーズ船を1隻チャーターし、名古屋港の金城埠頭(ふとう)(名古屋市港区)に停泊させる計画。
アジア競技大会は26年9月19日~10月4日の16日間にわたり開催され、選手団は最大1万5千人。選手団の宿泊をめぐり、組織委は当初、選手村の建設を予定していたが、物価高騰や資材不足などで費用が想定の2倍かかることが判明した。昨年3月、選手村を造らずに既存のホテルを活用する方針に転換。県内外で計50カ所の宿泊施設を利用し、このうち1カ所をクルーズ船でまかなうことを検討しているという。
具体的な費用はまだ決まっていないといい、大村知事は「ホテルと同じ料金、というわけにはいかないが、何割増しという形にはならない」との見通しを示した。(松島研人)