東京・秋葉原の小さなステージから出発し、メンバーの「暗い過去」もさらけ出すことで人気を博した7人組アイドルグループ「でんぱ組.inc」が今月、2日間のライブをもって16年間の活動に幕を下ろした。でんぱ組をアイドル史にどのように位置づければいいのか。アイドル評論家の中森明夫さんに聞いた。
でんぱ組のことを知ったのは、もふくちゃん(プロデューサーの福嶋麻衣子さん)が、きっかけでした。
2000年代半ばくらいに、若いクリエーターの女の子たちから声をかけてもらって見に行ったアート展にいたのが、東京芸大を卒業したという、もふくちゃんでした。
AKB48が誕生してしばらくの頃。僕自身は当時、まだあまり知られていなかったPerfumeにはまっていて、アート展の会場で楽曲をかけてもらった。そのときに「Perfume大好きです」と言っていたのが、もふくちゃん。
そこから彼女と親しくなり、秋葉原にでんぱ組発祥の地であるライブ&バー「ディアステージ」を始めたときも教えてもらいました。「ディアステージ」の店員らで08年、前身となる「でんぱ組」を結成したときも楽曲は聞いたし、その後もCDやDVDなど折に触れ、聞いたり見たりしていました。でんぱ組はそこから人気が広がり、14年には武道館でのライブも実現させました。
アイドル界が変わるためには
もふくちゃんは、もともとあ…