提訴の日、ほかの原告や弁護団と共に東京地裁に向かって歩く梶谷風音(右から2人目)=2024年2月26日、東京都千代田区、豊秀一撮影
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現場へ! 憲法を手にⅢ⑧

 関東地方に住む梶谷(かじや)風音(かざね)(27)は2023年9月、米国の病院で、生殖能力をなくすための不妊手術を受けた。

 母体保護法は不妊手術を原則禁じ、妊娠や分娩(ぶんべん)が母体の生命に危険を及ぼす場合などに限り、配偶者の同意を条件に認めている。梶谷の場合、要件を満たしていなかった。

 「子どものころから、妊娠・出産や子育てを人生の中で一切経験したくない、ということだけは譲れなかった。違和感の正体は結局、生殖能力があることが嫌だということだとわかった」

 国内で不妊手術を受けようと…

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