「この10年間でみると、男女とも有意に減少」。日本人の野菜摂取量に関する記述に驚きました。8月末に厚生労働省が発表した、2022年の国民健康・栄養調査の結果概要を読んでいた時のことです。
同調査は国民の栄養摂取量や身体・生活の基礎データを得ることを目的とした大規模なもの。身長体重、血圧などの身体状況、食事状況、生活習慣を調べます。今回は全国2910世帯から回答を得ました。
1945(昭和20)年に連合国軍総司令部(GHQ)の指令で行った栄養調査に始まり、70年以上毎年行われてきましたが、コロナ禍で2020年、21年と中止に。3年ぶりの調査結果がどうなるのか、注目していました。
今回の結果では1日あたりの野菜摂取量の平均値は男性277.8g、女性263.9g。いずれも、前回19年の結果より、およそ10g減っていました。前回までの数年は、野菜摂取量に大きな変化はなく、ほぼ横ばいでした。
野菜を食べる大切さは多くの人が知っているはずなのに、減少傾向になった背景は何でしょうか。
林芙美・女子栄養大学准教授…