仮面について語る国立民族博物館の吉田憲司館長=大阪府吹田市の同館、山口宏子撮影
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 祭りの主役、悪と闘う「仮面」のヒーロー、顔を隠した「覆面」シンガーやレスラー……。「面=マスク」は人々をひきつける。なぜだろう? 国立民族学博物館(みんぱく、大阪府吹田市)の館長で、アフリカの「仮面結社」の一員でもある吉田憲司さんに聞いてみました。

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 ――同じマスクでも「覆面」「仮面」と呼び方が異なります。

 「それぞれ区別して考える必要があります。覆面は顔を隠す機能があるだけで、それ自体に意味はありません。一方、仮面は何かを表す『もう一つの顔』です」

 ――プロレスの「タイガーマスク」のような人を「覆面レスラー」と呼びますが……。

 「厳密には『仮面レスラー』と呼ぶのが、より適切でしょう。闘う時の『顔』として『虎』を表現していますから」

 ――人はなぜ、「仮面」にひかれるのでしょう。

 「人間の体の中で、顔は他者…

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