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木下龍也さん(右)とお題の依頼者・山浦のぞみさん(左上)をオンラインで結び、語り合った。左下は佐々波幸子記者
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 参加者から募った「お題」に気鋭の歌人は短歌でどう応えたか。「木下龍也さん×記者サロン あなたのために詠む短歌ONLINE」では、それぞれの「お題」の依頼者と木下さんが画面越しに直接言葉を交わし、お題にどんな思いを込めたか、それにどう向き合って歌を作り上げたかを語り合いました。

 依頼者からのお題に応じた100首を収めた「あなたのための短歌集」がロングセラーとなっている木下さんは2回目の記者サロン。好評を博した前回4月は、この歌集の内容を学習させたAI(人工知能)も同じお題で短歌を作り、木下さんの歌とともに鑑賞した。この際に来場したお題の依頼者と木下さんとの対話が他の参加者の共感を呼んだことから、今回は4人の依頼者と木下さんをオンラインで結び、語り合う場を設けた。

 一つ目のお題は子育て中の会社員・山浦のぞみさんからの「3歳の息子はとても可愛いのですが、注意したことが気に入らないと『お母さんはいらない、捨てる』など憎まれ口をたたきます。子どもの言うこととはいえ、傷つきます。励ましの短歌を」。木下さんはこの歌で応えた。

 〈まだ文字の書けないきみはごめんねを寝顔で伝えようとしている〉

 「子育ての経験もないので難…

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