「プリニウス」作者のヤマザキマリさん、とり・みきさん

 ヤマザキマリさん「私が怒って『ワーッ!』ってなった時、とりさんは冷静にスーッと引くんですよ。とりさんが同じようにワーッ!となる人だったらコンビは空中分解していたかも」

 とり・みきさん「ちょうどよかったんですよね。人間パートはヤマザキさんが描く方が絶対いい。私がやると、熱くなるべきドラマが引いてさめたものになる。その代わり怪物とか都市破壊とか存分に描けました。手塚治虫さんは両方持っていましたけど私たちはふたり合わせてちょうどいい。マジメなところはヤマザキさん、お遊びの部分は私、というところもそうです」

 ヤマザキマリさん、とり・みきさんの合作によるマンガ「プリニウス」(全12巻、新潮社)が、22日発表の第28回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)マンガ大賞に決まりました。最終選考会ではノミネート10作がダンゴ状態になった混戦からじわじわと支持を集め、最後は「【推しの子】」との一騎打ちを制しました。動植物、鉱物、地質、天文、果ては怪獣・怪物の類いまで網羅した大著「博物誌」を残し、最後はウェスウィウス(ベズビオ)山の大噴火で命を落とした古代ローマの知の巨人プリニウスの旅と冒険を、約10年かけて描ききりました。

 ヤマザキさんは「テルマエ・…

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