地方自治体に寄付する見返りに、特産の肉やカニなどのお礼の品がもらえる「ふるさと納税」。いまや年間の寄付額は1兆円を超え、1千万人超が使う制度に成長したが、返礼品目当ての「官製通販」との批判も根強い。これが目指す姿だったのか。ポータルサイトの草分け「ふるさとチョイス」の運営親会社チェンジホールディングスの福留大士社長に聞いた。

 ――ふるさと納税の「官製通販」批判に、何を思いますか。

 「税金の一部をメリットのある形で還元してもらえる制度だと考えている人が多い。でも、制度の利点は本来、故郷や勤務経験地など愛着ある自治体に『納税者』として税金の使い道を示せることだ。それが、なぜか返礼品の通販みたいになってしまった」

ふるさとチョイスの運営親会社チェンジホールディングスの福留大士社長=2024年12月20日、東京都港区、和気真也撮影

 ――通販化の素地を作ったのは御社ではなかったでしょうか。

 「責任はあると思う。でも、返礼品はこの寄付制度を普及させる起爆剤のはずだった。地方創生の理念に共感していたサイト創業者は、制度開始のころ米や魚を心ばかりのお礼として送る自治体があるのに目をつけた。バラバラの情報をポータル化し、決済機能なども整えて制度の利用を一気に伸ばした」

 ――返礼品にも意義があると…

共有
Exit mobile version