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「いつか娘と皇居に咲くひまわりを見に行きたい」と話す菊地いつかさん=2024年12月19日、兵庫県明石市、河崎優子撮影
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 阪神・淡路大震災から30年となる今月16~17日、天皇、皇后両陛下が神戸市を訪れる。両陛下や皇族方は折々に現地に足を運び、被災者と心を通わせてきた。

 「大事に育てさせてもらっています」

 震災から15年がたった2010年1月17日。菊地いつかさん(45)は神戸市を訪れた皇太子ご夫妻(現在の天皇、皇后両陛下)にそう声をかけられた。菊地さんは「毎年種を取って植えてくれているなんて」と驚いた。

 震災で同市にあった自宅が倒壊し、妹の加藤はるかさん(当時11)が犠牲になった。その年の夏、自宅跡地にひまわりが咲き、復興の象徴として各地でひまわりを育てる動きが広がった。

 震災10年の追悼式典(05年1月)の際、天皇、皇后両陛下(現在の上皇ご夫妻)にも遺族代表から種が贈られていた。

 皇居では毎夏、一般公開されている皇居・東御苑できれいな花を咲かせ、19年には平成最後となる歌会始の儀で天皇陛下が「はるかのひまわり」を題材にした歌を披露した。人々の関心が薄れる度に、皇室の活動で注目された。「心から思ってくれていたんだ」とうれしかった。

ひざつくスタイルに批判も

 この震災では、両陛下が発生…

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