奇妙な味で面白い。毒とひねりと生々しさ。5月10日公開のアニメ映画「トラペジウム」のお話です。
女の子4人が出会ってアイドル目指して困難や葛藤を乗り越えてキラキラ――という定番のお話かと思いきや、オモテはキラキラでも主人公は腹黒い。あっけらかんと「腹黒キャラ」をやるのではなく、生々しく黒い。他の3人は白い。空白です。何を考えているのか分からない。内面の描写が足りてないのではなくむしろ「内面なんかない」と言いたいのでは?と思い始めた私の心に、不穏な黒雲が湧き出します。このドラマ、どう終わるの?
制作は「ぼっち・ざ・ろっく!」などのCloverWorks、監督は篠原正寛さん、原作は「乃木坂46」1期生の高山一実さんが書いた同名小説で「自身の経験や葛藤が込められた小説は、みずみずしくもリアリティーと熱量に満ち……」との触れ込みですが、未読です。
主人公は何が何でもアイドル…