男の自宅から押収されたハンガー型カメラ。裏側に記憶媒体の差し込み口がある=2024年6月12日午後3時20分、兵庫県警生田署、原野百々恵撮影

 高校に侵入して女子更衣室にカメラを仕掛けて盗撮したなどとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反など四つの罪に問われた神戸市中央区の無職中塚清人被告(37)の公判が6日、神戸地裁であった。

 この日の公判で検察側は「極めて用意周到で計画的かつ執拗」と指摘し、懲役6年を求刑した。被告人質問で被告は起訴内容を改めて認めたうえで「熱中できるものがなく、なんとなく過ごしていたなかで盗撮をした」などと述べた。

 一連の事件では、被告が盗撮したとみられる計10テラバイト分の動画データが、自宅から見つかっている。兵庫県警の分析では、動画に映った女子高校生らは重複を含めて約2万人にのぼるという。

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 起訴状によると、被告は2022年に奈良県大和郡山市の高校、23年には神戸市長田区と灘区の高校へそれぞれ侵入。女子更衣室に隠しカメラ付きのハンガーを置き、着替える女子生徒らの裸を盗撮したなどとされる。起訴内容での被害者は計26人。

 県警によると、被告の盗撮は19年ごろから始まり、兵庫と奈良の計4校の高校に繰り返し侵入していた疑いがあるという。

 神戸市にあるビルの女子トイレに小型カメラを仕掛け、盗撮したとされる罪でも起訴された。

 盗撮動画をインターネット上に投稿したり第三者と共有したりした形跡は確認されていない。

 この日、証人尋問で法廷に立った被告の父親は「親としてもっと厳しく接するべきだった。更生できるように、監督していきたい」と話した。

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