元日に能登半島地震に見舞われ、休館が続いていた石川県七尾市の「のとじま水族館」が20日、半年ぶりに開館した。全国の施設やファンに支えられ、生き物たちの命を精いっぱいつないできた。
「水族館は元気だよ」と伝えたくて、多くの子どもたちが夏休みを迎えるこの日に合わせて開館した。
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窓口に約30人が並び、予定の午前10時を前倒しして開館。先頭にいた七尾市の会社員石田幸次さん(57)と美紀保さん(56)夫妻は元日も広島から訪れた孫たちと来館し、帰宅後に地震が起きた。
「娘が小さいときから毎年のように来ていて、再開を心待ちにしていた。写真をたくさん撮って孫たちに送りたい」という。入館し、ペンギンの姿を見つけると「おるおる。元気か」と声をかけていた。
のとじま水族館が激しい揺れに襲われたのは元日、閉館20分前の午後4時10分だった。
約200人が館内を楽しんでいたのが一変、水槽から水がこぼれ、機器の異常を知らせる警報音が鳴り響いた。
職員の誘導で来館者を高台の駐車場に避難させ、車で暖を取ってもらった。
生き物たちを救え 各地の仲間が支援
のとじま水族館は能登半島の東側、七尾湾に浮かぶ周囲約72キロの能登島の沿岸部にある。
大津波警報のなか、館内に戻って確認するのは難しい。夜になり、警報音がますます響き渡る。通電したままの機器が水につかり、火災の心配もあった。
それでも、飼育員を統括する展示・海洋動物科長の加藤雅文さん(53)らは約400種約2万2千点の生き物がいる水族館を遠くから見つめることしかできなかった。
翌2日、館内を見回ると、ジ…