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松田わこさん(左)、梨子さん姉妹=富山市、佐々波幸子撮影
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 朝日歌壇の常連投稿者として知られる松田梨子(りこ)さん(26)、わこさん(23)姉妹が父母と3冊目の歌集「ソナタを弾こう」(角川書店)を出版した。2012年から20年までの歌を収め、梨子さんは中学2年生から大学3年生、わこさんは小学5年生から高校3年生の終わりにかけて作った短歌が並ぶ。小学生の頃から朝日歌壇への入選を重ね、これまでそれぞれ300を超す歌が掲載されてきたふたりは、どのように歌を詠み続けてきたのか。住まいのある富山市で聞いた。

咲こうかなそれとも明日咲こうかな

 ――ふだんどのように歌を作っているのですか

 梨子 歌が降りてくる天才ではないので、例えば家族で旅したことを歌にしようと思ったら、関係する単語や詠み込みたい言葉をとりあえず紙にバーッと書き出します。それらを組み合わせながら、五七五七七のリズムにのせて作っていくことが多いですね。

 ――スマホやパソコンも使いますか

 梨子 旅先でスマホにメモすることはあるんですけど、言葉を書き出すとなると、スマホよりは紙の方がいいなと思います。

 わこ 私もまったく同じです。

 ――書き出すのは手帳に?

 わこ コピー用紙の裏紙みたいな、ただの紙です。大学ノートの「歌帳」に清書したら捨ててしまいます。

 ――いつごろから歌を作り始めたのですか

 梨子 ふたりとも5歳のころからです。「歌帳」は10年から書き始めたので、私が小学5年生の終わり、妹は小学2年生の終わりからですね。それぞれ5冊目に入りました。

 ――1冊目を開くと、朝日歌壇に登場した頃の歌が載っています。わこさんは〈始業式今日から私三年生カッパ卒業オレンジのかさ〉。梨子さんは〈咲こうかなそれとも明日咲こうかな塾の帰りに桜の会話〉。幼い頃は散歩しながら作っていたそうですね

 梨子 母と妹と3人で、散歩中に目にしたものから5音のもの、7音のものを言葉にして、五七五七七のリズムで歩く遊びをしていました。たとえば「チューリップ」で5歩だけ歩き、「かわいいピンク」と思いついたら7歩進みます。〈五・七・五くつで数えて立ち止まるママとこのごろたん歌でさん歩〉という歌を07年に作っています。

 わこ 続く言葉を思いつかないうちは立ち止まったままなので、線路沿いの道で市電が何回も脇を通っていったのを覚えています。

模試のたび判定される私たち

 ――11年に出版された第1歌集のタイトルは「たんかでさんぽ」でしたね。第2歌集「リコピンがある」の刊行は13年。それから11年ぶりとなった第3歌集から、ご自身と相手の好きな歌を教えてください

 梨子 自分の歌は〈模試のた…

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