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多くの人でにぎわう「あつたnagAya」=2025年1月16日午後1時34分、名古屋市熱田区神宮3丁目、米田怜央撮影
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 全国有数の参拝客数を誇る熱田神宮(名古屋市)のまわりに新たなにぎわいが生まれている。近くにある商店街は老朽化し、シャッターを閉める店舗が目立っているが、玄関口となる駅に商業施設が誕生し、観光客が押し寄せている。さらなる再開発の機運も高まっているが、地元で話を聞くと課題もあるようだ。

 熱田神宮に向かう多くの参拝客が利用する名古屋鉄道神宮前駅の西口に商業施設「あつたnagAya」が昨年12月、全面開業した。みそ煮込みうどんの老舗など「名古屋めし」のほか、地元の食材を使った飲食店など16店舗が木造平屋建ての長屋に入る。鉄道沿線の観光地開発を強化している名鉄が手がけている。

 1月中旬に訪ねると、平日にもかかわらず、高齢の夫婦から若者のグループまで、多くの観光客でにぎわっていた。名鉄まちづくり推進部の後藤俊幸課長は「エリア全体が盛り上がるよう、街に開けた施設にしていきたい」と意気込む。

 熱田神宮は、三種の神器の一つ草薙剣(くさなぎのつるぎ)をまつり、織田信長が桶狭間の戦い(1560年)の出陣前に戦勝祈願をしたことで知られるなど、全国的にも多数の参拝客を迎え入れている。2023年の来訪者は約563万人と、名古屋を代表する観光スポットの名古屋城(約200万人)や東山動植物園(約265万人)を大きく上回る。

 ただ、これまでは神宮周辺に足をのばすと観光客の姿がまばらで、活気にはほど遠い雰囲気が広がっていた。神宮の東側に約300メートルのアーケードが続く熱田神宮前商店街があるが、多くの店舗がシャッターを下ろしている。

 危機感を抱いた地元企業や大…

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