離婚全体に占める「熟年離婚」の割合は、2022年に23.5%と過去最多になった。約4組に1組は熟年離婚という時代。その背景や要因に何があるのか。熟年離婚を円滑に進めるにはどうしたらいいか。累計2千件超の離婚相談や男女トラブルを扱ってきた堀井亜生（あおい）弁護士に「傾向と対策」を聞いた。
――熟年離婚に至る、主なきっかけは何ですか。
大きく三つあり、一つ目は「夫の収入の減少」です。会社勤めであれば50代半ば以降に役職定年や再雇用を迎え、給料が減っていきます。焦った夫が妻の家計管理に口を出すようになり、けんかに発展して離婚に至るケースです。
夫が早期退職に手を挙げて会社を辞め、カフェを始めるなど、脱サラ起業で「夢」を追うケースも火だねになることがあります。
起業に失敗し、金銭的に困れば、夫婦仲は悪くなります。妻にだまって会社を辞めていた場合などは、なおさらです。
長年の結婚生活の「出口」に待っていた熟年離婚。離婚後の生活まで見据えてどう向き合えばいいのか。家や財産で損をしないためにどう行動すればいいのか、聞きました
- アンケート【熟年離婚 どう思いますか？】
二つ目は「子ども」です。例…
