スマホを触りながら自転車を運転する男性=2024年10月22日午後8時4分、東京都千代田区神田岩本町、吉村駿撮影(ぼかしを入れています)

 改正道路交通法が11月1日に施行され、自転車の危険な行為が厳罰化される。酒気帯び運転が罰則付きの違反となり、スマートフォンを使いながら運転する「ながら運転」の罰則は強化される。いずれも重大な事故につながりかねない行為で、死者や重傷者が出る事故が絶えないことが背景にある。ただ、周知が課題になっている。(吉村駿、板倉大地)

 道交法で禁止される「ながら運転」は、手に持ったスマートフォンで通話をしたり、スマホの画面を注視したりしながら自転車に乗る行為だ。これまでは都道府県の公安委員会規則で禁止されており、5万円以下の罰金だった。改正道交法で6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金へと罰則が強化される。事故を起こすなど危険を生じさせた際の罰則はさらに重い。

死者・重傷者の事故102件 過去5年間で「ながら運転」

 ながら運転が絡む事故は各地で相次ぐ。警察庁によると、自転車側が過失の重い第1当事者か第2当事者になった事故で、死者が出たものは昨年までの5年間で2件、重傷者は100件あった。計102件のうち21件で通話をし、81件で動画の視聴などで画面を見ていた。自転車利用者の半数超は20歳未満だった。

 「ながら運転」の実態はどうなのか。

 10月下旬、東京・秋葉原の交差点。警視庁が昨年12月~今年1月に各地の交差点を調べた結果、ながら運転が最も多かった場所といい、付近で記者も確認してみた。

 午後6時半からの1時間で自転車で通ったのは108人。少なくとも4人のながら運転を確認し、うち3人は片手にスマホを持ち画面を注視したり、操作したり。残り1人は通話をしていた。

通知音気になる高校生、危険な経験も

 左手で操作しながら運転していた高校3年の男子生徒(18)は取材に、友人にメッセージを返していたと明かし、「アプリの通知音が鳴ると気になって見てしまう」と話した。

 ただ、ながら運転が原因で自転車と衝突しかけたことが何度かあったとも明かす。11月から道交法違反となることは知らなかったといい、「危ないし、警察につかまりたくない。これからは自転車を止めてスマホを触るようにする」と話した。

スマホを持っていなくても

 スマホを手に持っていなくて…

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