兵庫県明石市沖で取れる明石ダコが激減している。海の栄養分の不足などが背景にあるとみられ、漁獲量はこの10年で5分の1以下に。危機感を持った県と明石市は、稚ダコを生産して親ダコのいた海域へ放す取り組みを始めた。
明石ダコは明石海峡の速い潮流の中で育ったマダコ。足が短くて太く、ぷりっとした歯ごたえや甘みが特徴で、ブランドダコとして全国に知られる。
市によると、明石ダコは2015年ごろまで年間1千トンほどの漁獲量があったが、16、17年に700トン台に減少。さらに21、22年は100トン台にまで激減した。昨年は207トンに増えたが、回復にはほど遠い。
県水産漁港課によると、影響しているとみられるのが、瀬戸内の海の「貧栄養化」だ。
植物プランクトンの栄養にな…