写真・図版
社会人らと一緒に合奏練習する富山ヤングハートフルのメンバーら=2024年12月28日、岡山市中区の市立富山小学校、勝亦邦夫撮影
  • 写真・図版

 公立中学校の部活動の地域移行が各地で始まっている。少子化や教員の働き方改革を背景に国が推進しているが、受け皿をいかにつくるか、岡山県内でも地域による模索が続く。

 昨年12月28日午後、岡山市中区の市立富山小学校の音楽室。私服姿の中学生と社会人らが一緒に楽器を演奏していた。中学生は吹奏楽の地域クラブ「富山ヤングハートフル」、社会人らは「吹奏楽団 晴吹(はれすい)」のメンバーだ。

 「自分で吹きながら隣の人の音も聴けるように」。合奏の練習中、晴吹指揮者の槙野邦彦さん(44)が語りかけた。中学生らは晴吹メンバーに指づかいを教えてもらいながら、約3時間にわたって音出しをしたり、合奏したりした。

平日は部活、休日は地域クラブ

 富山ヤングハートフルが設立されたのは、岡山市が2023年3月、29年度までに市立中学校の休日の部活動を地域移行する方針を公表したことがきっかけだ。富山小を拠点に晴吹の指導を受けて活動してきた小学生バンドの経験者が、中学生になっても休日に吹奏楽を続けられるようにとクラブができた。プレ活動を経て、昨年4月に本格的に動き出し、市の24年度の地域移行モデル事業にも選ばれている。

 メンバーは市立富山中学校の1、2年生12人で、ほぼ全員が吹奏楽部員。金曜日の1時間の自主練習と土曜日の3時間の全体練習が中心で、地域の祭りなどでの演奏もしている。楽器は中学から借りているという。

 保護者会が運営し、学校の鍵…

共有