たけだ(大阪)
「こんばんは、武田です。よろしくお願いします」。席に着いてほっとひと息ついた頃、まぶしい笑顔が真っすぐにこちらを見据えた。
店主の武田篤樹さんは徳島出身で、地元の有名日本料理店で10年、北新地の高級割烹(かっぽう)「纐纈(こうけつ)」でも腕を磨き、2024年10月、釣鐘町に新築されたビルに自店を開いた。
せこがにの先付けをぜいたくにいただいた後は、大阪にちなんだ箱寿司が登場。続くお椀(わん)は、徳島の白甘鯛(あまだい)を、大阪伝統野菜である天王寺蕪(かぶら)のすり流しで。武田さんの出身地である徳島と、店の在(あ)る大阪の二つの地元が交錯する料理は、奇をてらわず、日本料理の正統に着地させるセンスが見事だし、大阪人としても食べていて愉快だ。
「徳島の食材の豊かさを表現…