淡く透明感のある色彩が重なり、ときににじむ。そこから生まれる爽やかな詩的イメージ――。
水彩画の魅力を言葉にすれば、こんな風になるだろうか。水彩画の名手でもあった浅井忠のこの絵も、その特長を十分に備えている。
革の装丁らしき厚い本の上に、キンレンカとおぼしき愛らしい一輪の赤い花。さらさらと描いたようでありながら、茎の部分を塗り残して表現するなど技巧も施されている。
「何より、浅井の持ち味であ…
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淡く透明感のある色彩が重なり、ときににじむ。そこから生まれる爽やかな詩的イメージ――。
水彩画の魅力を言葉にすれば、こんな風になるだろうか。水彩画の名手でもあった浅井忠のこの絵も、その特長を十分に備えている。
革の装丁らしき厚い本の上に、キンレンカとおぼしき愛らしい一輪の赤い花。さらさらと描いたようでありながら、茎の部分を塗り残して表現するなど技巧も施されている。
「何より、浅井の持ち味であ…