五回に逆転の適時打を放っていた太宰府の金子選手。九回は内野ゴロでチーム最後の打者となった=2024年7月3日午後1時20分、春日公園、鳥尾祐太撮影
  • 写真・図版

(3日、第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 九産大九産4―2太宰府) 昨秋の大会で1―9で敗れた強豪九産大九産を相手に、太宰府は併殺などの好守備で粘り強く戦った。五回、1―1の同点に追いつき、さらに2死満塁の好機。2番打者の金子尚陽選手(3年)が打席に立った。「絶対に打ってやる」。そう誓った。約2週間前に肩を痛め練習を休んでおり、「ぶっつけ本番」の打席だった。

 医師から、初戦には間に合うと言われた。それでもボールを握れない日々に焦りが募った。支えとなったのは仲間の存在だった。「お前のこと待っとるけん、はやく帰ってこいよ」。瀧本大河主将(3年)に掛けられた言葉が力になった。

 「調子はむしろいい」「直球1本に絞る」。狙い通り、外角に甘く入った直球をとらえ、打球はレフト前へ。値千金の逆転打となった。チームは終盤に逆転を許したが「最後まで力を出し切れました」と晴れやかな顔を見せた。(山本達洋、鳥尾祐太)

共有
Exit mobile version