記者会見を終えて、東京ヤクルトスワローズの塩見泰隆(31)はまじめな顔で言った。「笑顔の写真は使わないでくださいね」。11日、来季の契約を1400万円ダウンの年俸5700万円(推定)で更改した後のことだった。
5月11日、神宮での巨人戦。一回裏、先頭打者として、巨人の菅野智之から遊撃内野安打を放った時に悲劇は起きた。特別にユニホームと同じグリーンに着色された一塁ベースへ駆け込んだ際に、左ひざを痛めた。自力で立ち上がることができず、担架でベンチ裏に消えた。今季出場31試合目のことだった。
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翌日、広報担当者から症状が発表された。「左膝(ひざ)前十字靱帯(じんたい)損傷、半月板損傷、全治未定」。プライバシーや戦略的なことを含め、選手が受傷した場合に細かい症状を明らかにしない同球団としては珍しいことだった。大勢のファンの前でのけがだったことがひとつの理由だろう。そして、復帰までに相当な時間を要することが想像できた。案の定、その後、塩見のプレーをグラウンドで見ることはなかった。
手術を受け、リハビリを続け…