自身や大切な人ががんになったとき、何をどこまで聞いてよいのか。うまく医師らとコミュニケーションができず、困ったことはありませんか。朝日新聞社は1月、トークイベント「がんとともに~知りたい! 医師との会話のコツ~」を大阪で開催しました。その内容を紹介します。

 近畿大学病院がんセンター長の中川和彦さんが講師を務め、事前に寄せられた質問などに答えた。聞き手は、くらし報道部大阪担当部長の辻外記子が務めた。

参加者からの質問に答える、近畿大学病院がんセンター長の中川和彦さん=2025年1月16日、大阪市北区、大和田博一撮影

 医師に質問する際、気をつける点は何か。

 聞きたいことは原則、何でも聞いてよい。絶対に言うべきは、自身の体調の変化だ。検査の数値より何より、一番早く察知するのは本人。良くなったことも悪くなったことも必ず伝えてほしい。次の治療の日程を決める際、旅行や家族のイベントがあれば、伝えるべきだ。時期を少しずらせる治療もある。

 医師と患者のコミュニケーションを阻むものは何か。

 この患者さんにどんな話し方をしたらよいか、医師の側にも恐れがある。少しずつ距離を縮めることでしか信頼関係は築けない。医師も患者もいろいろで相性もある。一歩親しい関係性になるには、お互いに努力をしていく必要がある。

 外来診療時に、看護師がいるとコミュニケーションをとりやすいが、病棟に配置される看護師が増え、外来看護師が減っている。

 めざす治療、最高の治療とは。

イベントには、関西に住む50~80代の34人が参加。体験や意見を語ってもらいました。記事の後半で紹介しています。

我慢して受けるのではなく

 手術や放射線で治るのが一つの目標だが、治癒が難しい場合は患者さんが満足する治療をめざす。医師側が勧めても、患者さんが我慢して嫌々治療を受けているのでは良くない。医師の話を聞いたうえで、自分で選んだと思える治療を受けてほしい。

 自身が求めること、なぜそう…

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