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製薬会社「ブリストル・マイヤーズスクイブ」の愛知工場に到着し、迎え入れられる同社の社員=10日午後、同社提供
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 がんで亡くなった人や、がんで闘病中の患者を思い、日本各地を自転車でまわるチャリティーバイク・ライドイベント「C2C4C」(Continent 2 Continent 4 Cancer/大陸から大陸へ、がんを乗り越えるために)が今秋も行われている。ライダーとして参加するのは日頃がんの薬剤に携わる製薬会社の社員たちだ。

 C2C4Cは2014年に製薬会社「ブリストル・マイヤーズスクイブ」(BMS)の米国の研究者ががんと向き合う人たちにもっと何かしたいと始めたイベントで、日本での開催は今回4回目となる。BMSの社員たちは千葉県を出発し、BMSの国内唯一の工場である愛知工場(愛知県幸田町)などを経由し、東京までの約1800キロを5チーム約60人でつなぐ。

 同社で日本国内の事業開発の責任者を務める平松万里子さん=愛知県碧南市出身=は昨年、このイベントに参加。故郷の近くを、がんと闘病した亡き祖母のことを思いながら走った。

 2015年末、祖母は87歳でステージ1の胆道がんと診断を受けた。研究者としてがんに関わってきたが、身近な人ががんと分かったのは初めてだった。祖母は手術を受けて腫瘍(しゅよう)を摘出したが、その後心身に不調をきたし、翌年10月に亡くなった。

 がんの仕事に携わる自分は、祖母のために最善の選択ができていただろうか、もっとできることがあったんじゃないか……。後悔が残った。

ウェアの背中に書いた祖母の名前

 祖母の時にできなかったこと…

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