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猫の保護活動を続けてきた奈良県大和高田市の団体が、猫の開放型シェルター「ねこまち長屋」を22日(猫の日)に開設する。クラウドファンディング(CF)で集めた支援金で長屋を改築した。「かわいい」とめでるだけでなく、理解を深めて里親への譲渡につなげ、保護活動を持続可能にする。そんな目標の第一歩が形となった。
開放型シェルター「ねこまち長屋」
大和高田市永和町5―2。譲渡会は毎月第2土曜の午後1~4時。メール([email protected])かインスタグラム(@nekono_kotonara)から予約すると、平日の見学や相談が可能。触れ合いはできない。
「すごく人になれてる」「先住猫との相性はどうかな」「猫エイズってうつるんですか」――。NPO法人「ねこの古都なら」がねこまち長屋を仮開設した8日、雪が降る中、県内外から家族連れらが次々と訪れ、ケージで寝そべる猫に見入った。スタッフに相談し、里親になる検討を始めた姿もあった。
ねこまち長屋は、築90年の2階建てを全面改築し、採光のよい窓や脱走防止の扉を完備した。
20人ほどのスタッフが自宅で預かっている約80匹を徐々に移し、交代で通って世話をする。これまでは貸部屋で譲渡会を開いてきたが、慣れない場所では緊張する猫が多い。今後は猫の生活空間に里親候補が訪れ、くつろぐ姿を見て相性を確かめることができる。
来訪者がまず目にする1階には、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)で陽性が出た猫のケージを置く予定だ。飼育に不安を抱かれ、譲渡に結びつきにくいという。
ねこの古都なら代表の土井友加利さん(59)は「発症していない場合、対策すれば、普通の猫と同じように生活できる。病気を正しく知ってほしい」と期待する。
10年間のボランティア お金も体力も限界に
ねこまち長屋の開設にはもう…