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おなかの側面に穴を開けて胃に直接栄養を入れる胃ろうのイメージを明るく前向きにしたい――。障害のある次男を持つ母親がそんな思いで我が子を主人公にした絵本「おなかのボタン」(リーブル出版)を1月上旬に出版した。Amazonの新着ランキング(絵本カテゴリー)で1位にもなった。
作者は高知市の保育士、平田エミさん(40)。次男のさっくん(9)の育児経験をもとに創作した。
絵本では、さっくんがおなかに「不思議なボタン」(胃ろう)をつけると、たくさん食べられるようになり、スーパーヒーローのようにパワーアップする姿が優しいタッチで描かれている。
さっくんは脳性まひの影響で生まれつき手足が自由に動かせない。食事はすりつぶしてエミさんが与えている。しかし食べる量が増えるにつれてうまくのみ込めなくなり、せき込むことも増えた。小学1年の時には誤嚥(ごえん)性肺炎になった。
そこで、口から食べるだけでなく、鼻からの管を通して栄養や水分をとる経管栄養を始めた。24時間管を通すことになり、たんも増えた。
胃ろうは誤嚥リスクを軽減し、栄養状態を改善する。腹部に穴を開けて胃に管(カテーテル)を通して栄養を補給する。
「食べる時間を楽しく」の声で意識変わり
エミさんには抵抗があった…