うみへび座銀河団で見つかった未知の電波放射「オオコウモリ」(中央)。翼を広げたオオコウモリ(中央下のイラスト)に似ていることから名付けられた=国立天文台提供

 地球に最も近い銀河団の一つ「うみへび座銀河団」で未知の電波放射が見つかったと、国立天文台と名古屋大のチームが発表した。特徴的な形から「オオコウモリ」と名付けられた。銀河衝突の痕跡とも考えられるが、その正体は謎に包まれている。最新の天文衛星で観測することで、解明につながると期待される。

 うみへび座銀河団は、地球から1・5億光年離れたところにあり、全長1千万光年にわたって157個の銀河が集まっている。

 銀河団や銀河どうしが衝突すると、それらがもつ巨大な重力エネルギーがもとになって、数億度の高温プラズマや光速に近い電子(宇宙線)などが生じる。うみへび座銀河団でも過去に衝突が頻繁に起きたとみられるが、高エネルギーの宇宙線など衝突の物的証拠は見つかっていない。

 今回、国立天文台・水沢VL…

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