2026年の世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都」について、政府は28日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に正式な推薦書を提出した。推薦の前提となる暫定リスト入りから18年。議論の舞台が国内から国際社会に移る節目にあたり、世界遺産に登録される意義をあらためて考えてみたい。
- 「飛鳥・藤原の宮都」世界遺産に推薦 政府、26年の登録目指す
「飛鳥・藤原」は、6世紀末~8世紀初めに日本列島で初めて建設された古代国家の宮都(天皇の宮殿と都の意味)の考古学的遺跡群。奈良県明日香村と橿原市、桜井市にまたがる地域に点在する「宮殿・官衙(かんが)跡」「仏教寺院跡」「墳墓」の計19資産で構成される。
豪族による合議制から天皇中心の中央集権体制に移る時期で、その過程を飛鳥・藤原という古代宮都の変遷から示すことができる唯一無二の資産で、顕著な普遍的価値を持つとされる。
大陸文化を日本流に昇華
推薦理由で注目されるのは、中国大陸や朝鮮半島など東アジアの国際情勢に視野を広げ、その交流の影響を挙げた点だ。
飛鳥時代は遣隋使と遣唐使が…