水俣病の公式確認から68年たった今夏、国内外の大学生が、熊本県水俣市をフィールドワークで訪れた。学生たちは地域住民らと交流を重ねながら、公害の原点である水俣の過去や現在を学び、水俣の未来について自分事として考えた。

 フィールドワークには、慶応大学とインドネシア、ベトナム、マレーシアなどの大学から13人が参加。課題解決のための国際感覚などを身につけるEBA(エビデンス・ベースド・アプローチ)プログラムの一環だ。

 8月初めに現地入りした一行は、まず水俣市立水俣資料館と環境省の水俣情報センターで、水俣病の歴史や水銀汚染のメカニズムなどを学んだ後、水俣病の被害者から通訳を介して話を聞いた。

植原教授の説明を聞きながら水俣病に関する展示を見学する学生たち=2024年8月4日、水俣市立水俣病資料館

 「人々はなぜ水銀に汚染された魚を食べ続けたのですか?」。参加者からはそんな質問も出た。

 「漁師は岸から離れたきれい…

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