独特の風味とパリパリ食感は喜ばれるけど、持ち運ぶには、においがどうも――。秋田特産の漬物「いぶりがっこ」へのこうした声にこたえるため、秋田県大仙市の会社がいぶりがっこの缶詰を商品化。県内外の土産物売り場で販売を始めた。
企画したのは、農産加工品企画販売会社「たからぼプロデュース合同会社」(鈴木健一代表)。「新幹線の中でにおいが漏れて気まずい思いをした」「においに驚いた販売店からクレームが来た」といった声を聞き、缶詰にして、においを閉じ込めることを思いついたという。
提携している県内のいぶりがっこ工場と缶詰会社と共同で商品化。殺菌はパックごとお湯につける従来の方法と異なり、専用の加圧窯を使う。
商品は細かく刻んだものと、薄くスライスした2種類。インバウンド客(訪日外国人旅行客)に秋田の伝統食材を伝えたいとの思いから、ラベルはあえて英語で、それぞれ「Japanese smoked radish(ダイコン) coppamijin(木っ端みじん)」、「Japanese smoked radish Sliced」と表記した。また、パッケージにあるQRコードから、いぶりがっこの製造工程を動画で見ることができる。
秋田空港のお土産広場「あ・えーる」やJR大曲駅の土産店「グランポール」のほか、東京・品川と福岡市の秋田県アンテナショップでも取り扱っている。内容量95グラム。販売価格は県内店が896円(税込み)、東京など県外店は972円(同)。