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重度障害がある男性が句集「寒椿」を自費出版した。京都市中京区の山本年高さん(71)。タイトルの寒椿は、厳しい状況でも命を輝かせたいという自身の心情を表している。朝日新聞の朝刊で掲載している「朝日俳壇」に選ばれた俳句のうち、3句も盛り込んだ。
山本さんは出産時の事故による脳性まひで、6歳までひざ歩きの状態だった。今のようなリハビリ施設もなく、歩行訓練のための手すりを近所の大工に作ってもらった。懸命に訓練し、19歳のころには自力で歩行できるようになった。
詩をはじめ、文章を書くことが好きだった。大谷大学短期大学部を卒業後、小説やエッセーを書くようになった。50歳のときには短編小説を1冊の本にまとめた。ただ年を重ねるにつれ、長文を書くことが体力的に難しくなった。
風景が浮かんでくるように
15年前、家族のすすめで5…