関ケ原の戦い以前から続く製薬会社「宇津救命丸」が一昨年、発祥地の栃木県高根沢町に本社を移転し、ブランドの再構築を進めている。半世紀ほど前、印象的なテレビCMで知られる看板商品で一世を風靡(ふうび)したが、小児薬を取り巻く環境は逆風が続く。どのような取り組みをしているのだろうか。
高根沢町の田園地帯に白壁や堀で囲まれた広大な屋敷がある。19代続く宇津(うつ)家。社名と同じ宇津救命丸は、宇津家敷地内にある工場で製造されている。
敷地は約3万3千平方メートルあり、家屋の奥には森が広がる。案内してくれた同社の宇津善行社長(46)によると、「庭にキジが歩いていることもある」という。
発祥は戦国時代末期 「1粒で米1俵」の価値
宇津救命丸の発祥は戦国時代…