コットンの収穫体験を終えた生徒たちと、畑で記念撮影をする佐野貴宏さん(後列左から2人目)ら=2024年11月1日、寒川町、足立朋子撮影

 国内での縫製にこだわってきた「メーカーズシャツ鎌倉」(本社・鎌倉市)が、究極の「Made in Japan」に挑戦している。

 これまで不可能と言われてきた高級コットンの自社栽培に成功し、今月、初のオール日本製のシャツを市場に送り出すのだ。コットン畑の一部は寒川町にあり、1日には関係者全員が「信じられない」と言いながら収穫を祝った。

 「このまま順調にいけば、神奈川産のコットンからシャツが作られることになります」

 1日、寒川町で開かれた同社のコットン収穫祭。貞末哲兵副社長(47)がこう話すと、収穫体験に集まった町立寒川東中学校の生徒たちから「おおー」と歓声が湧いた。

 学校近くの露地野菜の畑の一角には、春に種をまいたコットンが背丈ほどの高さに成長。開花後の実がはじけて現れる白い綿を生徒たちが丁寧に摘み取り、「見たことない」「ふわふわ」と感触を確かめ合った。

 畑を貸し、同社の農作業をサポートしてきた農家の阿部健太朗さん(44)は「コットンなんて自分も初めてだったが、牛ふんだけで農薬も使わず、よく成長して驚いた」と話す。「これがシャツになったら本当に感動するなあ」

 栽培しているのは「超長綿」と呼ばれる洋綿の最高級種。繊維が長く、細くてしなやかな糸になるが、流通量は全体の数%と希少な綿花で、特に国内では栽培困難とされてきた。

半信半疑で行ってみたら…

 同社でも中国やインドなどに…

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