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発掘調査速報展で展示された墨書土器や陶製のすずりなど=2024年8月10日、奈良県橿原市畝傍町、今井邦彦撮影
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 奈良時代には平城京の北東の外れだった奈良市法蓮町の発掘調査で、奈良~平安時代の瓦や、「大」「寺」などの墨書がある土器が出土した。現場の周辺には「小治田寺(おはりだでら)」や「大后寺(たいこうじ)」と呼ばれた推古天皇ゆかりの寺があったという説があり、未知の寺跡が眠る可能性が高まっている。

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 発掘調査は今春、民間調査機関の元興寺文化財研究所(元文研、奈良市)が実施。奈良~平安時代の瓦を伴う掘立(ほったて)柱建物の跡や溝が見つかり、墨書土器や陶製のすずりの破片などが出土した。調査した江浦洋技師は「近くに奈良時代ごろ創建の寺院があった可能性が高い」と話す。

 調査地の東に隣接する敷地では、1954年の発掘調査で「小治田寺」と書かれた墨書土器が井戸跡から見つかった。

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