70年以上売れ続けている駄菓子のロングセラー「ココアシガレット」の味がするリキュールを、岡山県瀬戸内市で駄菓子専門店「日本一のだがし売場」を経営する株式会社大町が売り出した。レトロでクラシックなパッケージもそのまま。原材料もオリジナルと同じものを使い、再現率は抜群だ。

 1952年に菓子卸売業を始めた大町は、2011年に倉庫の一角で直売店を始め、徐々に規模を拡大。現在では、同市長船町東須恵にある約2500平方メートルの売り場に約5千種類の駄菓子や玩具が並び、週末は大混雑する観光名所となっている。

 近年は駄菓子の業界でも原材料費や物流コストの上昇が続いており、廃業を余儀なくされる事業者が増えているという。そんな中、同社は「少しでも明るい話題を提供したい」「駄菓子から遠のいてしまった大人にも子どもの頃に慣れ親しんだ味を楽しんでほしい」と、駄菓子のお酒を発案した。

 ココアシガレットは大阪市淀川区の菓子製造販売「オリオン」が1951年に発売した紙巻きたばこ形の砂糖菓子で、最盛期には年1800万個を出荷していた。現在も「タバコを吸うよりこの1本」をキャッチフレーズに禁煙を応援するお菓子として売り続けている。

 大町からオリオンと岡山市中区の宮下酒造にコラボレーションを持ちかけ、オリオンがココアシガレットに使っているココアとハッカのパウダーを提供し、宮下酒造が甲類焼酎とブレンド。1月から日本一のだがし売場で売り出した。アルコール度数は10度と控えめで、大町の秋山創一朗専務は「ココア味なので温めてもおいしい」と薦める。

 同店だけでの限定販売で、300ミリリットルで1100円、箱入りは1400円(いずれも税込み)。月~土曜は午前10時~午後5時、日曜は午前9時~午後5時の営業。問い合わせは、大町(0869・26・6580)。

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