労働組合と経営側が賃上げなどについて交渉する「春闘」が始まりました。賃上げの「定着」につながるのか、労使交渉の行方が注目されています。大企業からの回答が集中する3月半ばまで、春闘や賃上げの動きをタイムラインでお伝えします。

【ビジュアル解説】春闘 なぜ今注目?

毎年2~3月にかけ、「春闘」が盛り上がりをみせます。そもそも春闘とは何なのでしょうか? その歴史は? 日々の生活との関係は? 春闘についてイラストを交えて解説していきます。

■■■2月7日■■■

17:00

重工大手3社 1万5千円を要求

 重工大手3社(三菱重工業、川崎重工業、IHI)の労働組合は、今年の春闘で月1万5千円のベースアップ(ベア)を求める要求書を、それぞれ会社に提出した。昨年は各社とも月1万8千円のベアを要求し、いずれも満額回答を得ていた。

 IHI労組はこのほか、年間一時金として過去最高となる7.0カ月分(前年は4.8カ月分)を求めた。重工業界では防衛予算の増額を背景に防衛関連事業で業績を伸ばすなどしており、3社とも2025年3月期決算で純利益が過去最高となる見通しとなっている。

12:00

JFEスチールの労働組合が要求書提出、ベア相当額1万5千円

 鉄鋼大手JFEスチールの労働組合は、ベア相当額で月1万5千円の賃上げなどを求める要求書を会社側に提出した。平均賃金の約4.6%にあたる水準という。

10:00

日鉄労連、ベア相当額1万5千円を要求

 日本製鉄労働組合連合会は、「基本賃金の1人あたり1万5千円改善(ベースアップ相当額)」を柱とする今春闘の要求書を経営側へ提出した。1998年から2年に1回の交渉だったが、経営環境を踏まえて昨年から単年度での賃金交渉に切りかえている。

写真・図版
日本製鉄労連の幸野直通会長(中央左)が春闘の要求書を提出した。受け取ったのは日鉄の内藤寛人・常務執行役員(中央右)=2025年2月7日、東京都千代田区、宮川純一

 労連の幸野直通会長は東京都千代田区の日鉄本社で「厳しい事業環境で成長するためには金属産業トップクラスの賃金水準を維持・向上させていくことが不可欠だ」などと要求書を読み上げ、日鉄の内藤寛人・常務執行役員へ手渡した。経営側は交渉に向けて「(要求を)真摯(しんし)に受け止める。より一層強い危機感・緊張感のもとでさらなる奮起が必要であることなどについて丁寧に説明していく」とコメントした。

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