1966年に静岡県で一家4人を殺害したとして死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審無罪が確定したことを受け、静岡県警が26日に公表した当時の捜査に関する事実確認の結果の要旨は次の通り。
【自白調書の捏造】
逮捕した日から自白前日までの19日間で、1日平均約12時間の取り調べが連日行われた。午後10時を超えた取り調べが2日を除き毎日あり、その翌日に取り調べ開始時刻を遅らせるなどの補完措置が講じられた形跡もない。
取り調べ中に袴田氏に対して、被害者の写真を示しつつ繰り返し謝罪を求めたこと、勾留の長期化をほのめかして自白を迫ったことなどの実態が確認された。
取り調べ録音テープなどで、袴田氏に取調室内で2回排尿させたことが確認された。1回目は取り調べで事件に関する供述を迫った後、金属音や放尿するような音が認められ、2回目は取り調べで、留置場から便器を持ち込み、視界を遮るためについたてを立てるなどした状況がうかがえた。
取り調べの様子は、いずれも供述の任意性が否定されるような方法であった上、当時の確定第一審でも警察官が作成した供述調書が全て証拠排除されていることに鑑みて、不適正だったと言わざるを得ない。
【5点の衣類と端切れの捏造…