1966年に静岡県清水市(現・静岡市清水区)でみそ製造会社の専務一家4人が殺害され、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(88)の再審無罪判決確定を受け、最高検が捜査などを検証した報告書の要旨は以下の通り。
【はじめに】
袴田巌さんが66年8月に逮捕後、2024年9月に再審無罪判決が言い渡され、同年10月に確定するまで、約58年が経過した。再審請求審の司法判断にばらつきがあったことなどで、袴田さんが長期間、法的地位が不安定な状況に置かれたことを真摯(しんし)に受けとめ、再審請求手続きの長期化や捜査・公判の問題点を検証し、今後の再審請求や再審公判で講じるべき方策を検討した。
無罪判決について論じる部分もあるが、無罪の結論を否定するものではなく、検察は袴田さんを犯人視していないことを改めて付言する。
【再審請求審以降の手続きの長期化】
第1次再審請求審の一審では…