エビ、フォアグラ、サバ、カカオ、タピオカ、ハチミツ、マツタケ、ニンニク――。朝日新聞国際報道部は、連載「一皿から見える世界」で、特派員が食材にまつわる物語を追いかけました。とっておきの美味なる写真を、読者の皆様にお届けします。

 おせち料理を彩るエビ。日本にも多く輸出されるタイでエビの市場を訪ねると、鋭い視線を向けられました。内戦、恐怖、希望――。日本とつながるその場所で見えたものとは。

「世界3大スープ」に数えられる「トムヤムクン」(左)と、エビを姿焼きにした「クン・チェーボイ・オップクルーア」(梅に漬け込んだエビの塩焼き)=2024年11月17日、タイ中部マハチャイ、笠原真撮影
市場に併設された作業場で、エビの殻むきをする人たち。右の女性はほおにミャンマー伝統の日焼け止め「タナカ」を塗っている=2024年12月4日、タイ中部マハチャイ、笠原真撮影
  • 【1】食卓に並ぶエビ 殻に秘められた内戦と不法就労、「でも本当は…」

 フランスのクリスマス、新年に欠かせないフォアグラ。そのあり方を問い直しているベテラン職人が仏東部の小さな村にいます。伝統を残すための挑戦とは。そして、消費者の受け止めは。

強制的にエサを食べさせずに肥育したガチョウの肝臓「フォアドワ」=2024年11月22日、フランス東部ゲベルシュビル、宋光祐撮影
持続可能な食の未来について意気投合するマルセル・メツレールさん(左)と地元のワイン生産者ミュリエル・ギュエットさん=2024年11月22日、フランス東部ゲベルシュビル、宋光祐撮影
  • 【2】フォアグラと名乗れなくても 強制給餌をやめた孫の言葉と持続可能性

 北欧ノルウェーから日本が最も多く輸入している魚は、実はサーモンではありません。国内消費量の半分が8千キロ離れたノルウェー産のその魚を、新鮮なまま届ける工夫を取材しました。

ノルウェーの水産大手「ペラジア」の販売部副部長、スバイン・ニゴールさんが輸出用の冷凍サバを見せてくれた=2024年12月6日、ノルウェー南西部エーゲルスン、森岡みづほ撮影
スーパーではトマト味などのサバ缶が並んでいた=2024年12月7日、ノルウェー南西部スタバンゲル、森岡みづほ撮影
  • 【3】「日本のサバへの情熱のおかげ」で人気に ノルウェー産、世界争奪戦

 「きのこ」も「たけのこ」も、値上げラッシュ。冬のスイーツの代表格チョコレートの価格が高騰しています。その背景を探るため、生産地の西アフリカ・ガーナを訪ねました。

白色の果肉に覆われたカカオ豆。果肉は、マンゴーやライチのような甘酸っぱい味がする=2024年12月5日、ガーナ東部州、今泉奏撮影
ゴザの上に広げられたカカオ豆。1日に何度かかき混ぜて、発酵、乾燥を促す=2024年12月5日、ガーナ東部州、今泉奏撮影
  • 【4】チョコ商戦にも影響 「カカオショック」の震源ガーナで起きた異変

 日本でブームの「タピオカ」は、地球の反対側ブラジルでも愛されています。でも日本の食べ方とは大違い。現地を訪ねると、様々な人種が暮らすブラジル特有の物語がありました。

サンパウロで売られているタピオカティー=2024年12月17日午後、軽部理人撮影
白いタピオカ粉をフライパンで焼くと、モチモチした生地が出来上がる=2024年12月4日午後、ブラジル北東部オリンダ、軽部理人撮影
  • 【5】タピオカといえば白い生地 先住民族の主食、西洋人や奴隷文化と融合

 日本にも多く輸入されているウクライナ産ハチミツ。ロシアによる侵攻が長期化し、甘くない現実が続く中、生産に携わる人たちはどのような思いを抱えているのでしょうか。

ウクライナ産ハチミツを使ったハニートースト。たっぷりかけても、甘さが強すぎず、楽しめる
  • 【6】戦時下の国から届くハチミツ 甘くない現実、それでも未来のため

 秋の味覚マツタケ。中国でもそのおいしさが見つかってしまったようです。日本人が驚く産地ならではの食べ方も。技術革新で、その食べ方が日本で実現する日も近いかもしれません。

香格里拉のチベット料理店で出されたマツタケの刺し身。生のままワサビじょうゆでいただく=2024年8月10日、中国・雲南省、小早川遥平撮影
チベット旅館の主人、此旺曲珍さんが冬も手に入る冷凍マツタケで作ってくれたバター焼き。最後に塩を振るだけのシンプルな味付けだ=2024年12月11日、中国・雲南省、小早川遥平撮影
  • 【7】「世界松茸第一村」、刺し身は日本に届くのか? 中国・理想郷の挑戦

 国産の野菜や果物は、実は多くの部分を外国に頼り、様々な危機に直面しています。何とかできないか。ラオスの高原でニンニクとキウイを育て、奮闘する人々がいます。

ポーンサワンの朝市で売られていた地場のニンニク。日本のものに比べてかなり小粒だ=2024年12月18日、武石英史郎撮影
ポーンサワンの朝市で売られていた野生のキウイ。ブドウの粒ほどの大きさだ=2024年12月18日、ラオス・シェンクワン県、武石英史郎撮影
  • 【8】ラオスのニンニクとキウイが日本産救う? 元協力隊員と実習生の挑戦
  • ただの料理好きと思われたくない 速水もこみちさんが紡ぐ食の物語
  • 食べる石、野ネズミの蒸し焼き…イモトアヤコが世界で出会った食文化

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