歌手で俳優の火野正平(ひの・しょうへい)さんが14日、75歳で亡くなりました。2014年8月30日、9月6日、同13日の朝日新聞朝刊週末beに掲載した連載「逆風満帆」の3回分をアーカイブ配信します。上中下編の上編です。
【2014年8月30日朝刊】
毎年8月の1カ月間、火野正平(65)は一切の仕事を断って、家族とハワイ・カウアイ島で過ごす。この30年以上続く夏の恒例行事だ。
本人いわく「アメリカの田舎。何もないとこ」。滞在中に日本人に会うのは2、3組。ゴルフもしないし、スキューバダイビングもやらない。朝起きて、天気次第で泳ぎに行ったり、山を歩いたり。日が暮れれば飯を食い、酒を飲み、大好きなハードボイルド小説を読みふける。火野が“母ちゃん”と呼ぶパートナーと「トイレ以外は、ずーっと一緒。この時間があるから、残りの11カ月は俺がどこにいても保(も)つんだよ」。これが火野流円満の極意らしい。
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