M&A仲介の仕組み

 新型コロナ禍で借金が膨らみ、後継者もいない中小企業の経営者たちが、M&A仲介業者を通じて会社を譲り渡す動きが活発になっています。多額の報酬を得られる仲介業者は業績を躍進させ、ちいさな新興業者も急増しています。ただ、資格や免許もなくルール整備が途上なうえに、仲介手続きをめぐるトラブルもめだちます。そもそもM&A仲介とは何なのか。しくみと課題を解説します。

 Q M&A仲介とは?

 A 「M&A」は企業の合併・買収を指す。仲介業者は、会社や事業の「買い手」と「売り手」を紹介して引き合わせ、M&Aの契約を結ぶ手続きなどをサポートして手数料収入を得る。不動産の契約を仲介する不動産業者の会社・事業版のようなものだ。大企業のM&Aでは、自社の利益のために働く金融アドバイザー(FA)に頼ることも多いが、仲介業者は買い手と売り手の双方に対して「中立」であるのが原則だ。

 Q 中小企業のM&Aが多い?

 A 中小企業庁の集計では…

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